T'sカフェ

オイルの役割 密封編

今日のお題は、エンジンオイルがもつ潤滑、冷却、清浄、密封、防錆の5つの役割のひとつ、

「密封」についてです。

今回も、実験を通してわかりやすく、その作用(効果)をお話してみます。

 

エンジンのパーツ同士には、わずかですが「隙間」が存在します。

金属同士なのと、熱膨張で変形するコトもあり、それは避けられません。

その隙間を埋める働きが、エンジンオイルの「密封作用」です。

 

密封作用が求められる代表的な場所は、ピストン、リング、シリンダー周辺。

実験では、注射器を使って再現してみます。

まずは、オイルなしの乾燥状態。注射器の先を指で押さえて押し込みます…

 

簡単に注射器を押し込めます。

というコトは、その分ピストン周辺で「漏れ」が発生しているコトになります。

 

次に、ピストン部にオイルを塗ってから同じコトをします。

DSC00276

すると・・・

オイルの密封作用で、漏れが防止されて押し込めなくなりました。

 

どのくらいの隙間まで埋められるかは、オイルの性能、新鮮さによって変わってきます。

オイル交換をしないで古くなったオイルでは、密封作用が失われて、パワーダウンや

不完全燃焼の元になり、さらにオイル劣化に繋がる悪循環。

 

走行距離が増えたエンジン程、摩耗により隙間が大きくなりますから、オイルの性能、

新鮮さが重要なコトがご理解いただけるかと思います。

 

その他オイルには、金属を錆から守る「防錆」汚れを落とす「清浄」作用がありますが、

この二つはわかりやすいので…オミットしつつ…

3回にわたりお伝えしてきましたが、オイルの役割について少しでも伝わりましたでしょうか?

実験を考えるのは大変でしたが、コレもすべては、「わかりやすさ」の為です。

イルの役割がわかれば、交換の重要さ、オイル選びの楽しさに繋がると信じております!

 

次回は、オイル選びで質問の多い「粘度」についてです。

お楽しみに!